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あの大学で学びたい

世の中には、理科好きの子供もたくさんいますし、音楽の好きな子供もいます。芸能に興味のある子もいます。許せることなら、本人の興味のある学問、あるいは本人の性格、能力を十分見きわめて、芸術関係の道もよいと思います。子供が「大人になったら天体物理学者になりたい」と言ったら、その夢を大事に育ててあげたいと思います。そういうときに、「天体物理学者になんかなっても飯が食えん」と怒鳴るのではなく、理解してあげたいものです。大学選びだってそうです。たとえば、運よく、早稲田法、慶応法、ICUと合格した場合、子供さんがICUへ行きたいと言ったらどうしますか。父親として、素直に賛成しますか。たぶん、父親としては、私学の双璧の早、慶どちらかにこだわるでしょう。「せっかく早稲田、慶応に受かりながら、なんでICUなんだ」と。しかし、大学のことは子供さんのほうがよく研究しています。今では、偏差値だって早大、慶応、ICUは同じレベルです。もちろん、子供さんは偏差値とか、知名度とかでICUを選んだのではなく、「あの大学で学びたい」という純粋な気持ちでICUへ行きたいと言ったと思います。親としては、「息子は慶応へ行ってます」とか「次男は早大へ行ってます」という世間体を先に考えてしまいがちですが、気をつけたいものです。

設問解答の基礎練習をすること

せっかく読書するのですから、無理のない範囲であとあと役立つ練習もしておきたいものです。次に紹介するのは受験国語に直結する練習ですが、十分に読書経験を積んだ三年生以上の子供が対象です。小学校一、二年生や読書量の少ない子供に強要すると逆効果(読書嫌い、国語嫌い)になるおそれがあるので注意してください。なお、読む本が説明文か物語文かで練習内容が異なります。例えば受験国語で説明文を扱う場合、要旨要約(文章の不要部分を削除して重要部分だけを抽出する作業)が重要です。そこで説明文では要旨要約の基礎練習をしましょう。具体的には「この本にはどんなことが書かれているの?」と質問し、ある程度納得できる説明ができれば、その子はその文章の要旨を要約したことになります。

理科系の学問

一般的に、理科系の学問では、本に書かれていることより、実際の研究結果のほうが重視される傾向があり、実験ができない立場の人間が、机上の勉強だけで、学問に参加するのは困難なことが多いようです。多くの場合、その実験のレベルは高く、設備も費用もかかりますし、ほんとうの意味での(つまりまだ論文になっていない段階の)最新情報の入手も大変です。つまり市井の学者がハイレベルをめざすのはきわめて困難です。一方、民俗学や考古学なら民間の学者が大発見をした例が多く、大学や研究所にいなくても、研究者になれる門戸も開かれています。しかし、何年たっても芽が出なければ、目標を修正するほうが賢明かもしれません。修正とは、目標を下げたり、勉強のテーマを変えたりすることです。それでも八〇歳、九〇歳になっても勉強が続けられるなら、それはりっぱというほかありませんし、脳や体の健康にもよいでしょう。ただ、本気で心理学なり民俗学、考古学を学ぼうというのであれば、年齢にかかわりなく大学を利用する方法を考えたほうが有利なのは確かです。